サックスを所有しており、小まめに掃除をしている方でも、意外と見落としがちなのがベル上の部分です。サックスでほとんど唯一上側を向いているこの場所、なかなか汚れ易いんです。ここの掃除のコツをお教えしましょう。
サックスの汚れは基本的に水分によるものと、手油、もしくは周りのホコリです。ホコリは「徹底した掃除サボり屋&吹かない派」意外には無関係ですから置いておきましょう。手油はワイピングクロス(拭き取りクロス)で拭き取ります。最近のクロスは調微細繊維加工とかで、サックスの管体に傷を付け難くなっていますので安心です。まめに拭いていれば、力を入れなくても手油は拭き取れます。力を入れ過ぎず、かつ拭き過ぎずに注意してください。管体内部の水分はスワブ、パッドの水分は吸水ペーパーで取れますね。てな具合にまめに掃除していても、意外と汚れる場所、そこがベル上です。何故か?それは「唾」のせいです。
サックスで管体内に溜まる水滴のほとんどは、息の中に含まれる水分が楽器の金属部分で冷やされて結露し、それが溜まった物である事はご存知かと思います。しかしサックスは口をつけて吹く楽器で、舌でリードをコントロールもします。ですから当然のごとく「唾」もサックスの中に入っていきます。そしてトーンホールからしばしば溢れ出したり、外へ飛び散ったりします。そしてその飛沫は、唯一サックスの中で上を向いているベル上に落ちてきます。唾の混じった水分は乾くとタンパク質成分が残ります。この水分の乾いた跡が意外とやっかいです。タンパク成分が主なので、乾くと拭き取っても取れません。生乾きのときはクロスで拭き取れますが、乾くとかなり頑固です。このベル上の頑固汚れを擦りすぎると、ベル表面に細かい傷を付けてしまいます。細かい傷が付くと汚れもより取れ難くなり、悪循環に陥ってベル部分が曇ってしまいます。妙にベルの上だけが曇ったサックスを見た事がありませんか?この悪循環の結果です。
タンパク汚れの必殺技は「濡れティッシュ」です。香り付きでも無しでも構いませんが、純粋に水分のみの濡れティッシュを選んでください。スッキリする成分や油分を取る成分は、サックス表面のラッカー等に影響を与えてしまう場合があります。それが心配なら、ハンカチを水で湿らせたものでも結構です。水分で拭くと、タンパク汚れは力も入れずに簡単に取れてしまいます。拭き取りの際の水分はちょっと待てば乾きます。その後、クロスで吹いても良いでしょう。意外とサックス吹き自身には気付かない汚れです。
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