ご存知のようにクラリネットとサックスは、兄弟ではありますがまったく違う楽器です。運指もまったく違います。なんやかやと相違点を挙げたらキリがありません。が、私は多くのサックスプレーヤーにクラリネットとの持ち替えを薦めています。別にまともなクラリネット吹きを目指す必要はありません。何故、サックス奏者のクラリネットの持ち替えが有意義なのかについてお話しましょう。
クラリネットの練習がもたらすサックスの演奏に役立つ一番の効果は、アンブシャ(マウスピースの咥え方)の矯正です。クラリネットはジャズのルーズリップ系のアンブシャではかなり音が出難いと言えます。特にパワーやノイズを重視したサウンドでサックスを吹いている場合は、口の周りの筋肉の使い方や、リードとマウスピースの締め付け方が不均等になっている場合があります。そういう「荒れた」アンブシャだとクラリネットはまともな音が出ません。クラリネットを吹くためのアンブシャは、かなり平均的で理想系に近いアンブシャである必要があります。ということで、荒れたアンブシャをクラリネットで矯正、確認するサックスプレーヤーは少なくありません。また、フラジオ域(倍音の高音域)の練習もクラリネットで高音域の練習をすると、サックスでは意外に簡単に出る、ともいわれています。急がば回れかもしれません。
またまったく指使いの違うクラリネットですが、じつはちょっと工夫するとサックスに似た楽器に変身します。クラリネットの低いドは、サックスのソの運指です。そしてクラの低いファがサックスの低いドの指です。さてお立会い!クラの低いオクターブをサックスのつもりでドからドまで吹くと、E♭キーのアルトのドレミになります。オクターブ上の場合はB♭になります。もちろんこのやりかたは、オクターブを超えた範囲での繋がりはありません。でもオクターブの範囲で遊ぶには充分です。そしてこんなふうにして運指を練習すると、指の動かし方がきれいに、かつ無駄無くなってきます。クラの大きさが万人の手に順応し、また指でトーンホールを塞ぐこと、また指の横を使うキーが多いので不必要に指を開く癖が修正されます。どうですか?クラリネットを吹いてみたくなったんじゃありませんか?
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