フラジオの話をする前に、管楽器の悲しくも楽しい(?)特性についてお話しなければなりません。
サックス、フルート、クラリネット等の木管楽器、そしてトランペット、コルネット、トロンボーン、チューバ等の金管楽器。これら管楽器には運指表(トロンボーンはスライド・ポジション表ですね)で音階の出し方が説明されています。
しかしこれは「ドの鍵盤を押せばドの音が出る」、ピアノやヴィブラフォン、また「理論的にドの音が出るはずのフレットがある」、ギター等の弦楽器と違い、管楽器の場合は「ドの音が出易い指使い」程度でしかないのです。
例えばトランペットは三本のバルブの操作で全ての音階を出すことができます。奏者によってはピストンバルブを操作せずに、唇のコントロールだけで音階を出せる人もいます。サックスも唇や喉のコントロールで、同じ指使いでも高低全音以上の変化をさせることも簡単です。
もちろんサックスでは運指表に書かれた指使いで、何も考えずに息を入れれば、99%運指表どおりの音階が出ます。でも違う指でもその音を出すことも出来ますし、同じ指で違う音階を出すことができます。それが管楽器なのです。
で、フラジオの話に戻ります。サックスの設計上の音域は高音域記譜音でF♯までです(たまにF♯キーレスというのもあり、Gの出るソプラノサックスもありますが)。
なのにG、G♯やA、B、またそれ以上の音域を、変な指使いで出してしまおう、というのがフラジオです。この「変な指使い」はアルトかテナーか、バリトンか等、サックスの種類によって変わります。
音響的な構造を色んな穴の開き方の組み合わせで、無理やり出してしまおうというのがフラジオです。
ただしこの場合、「無理やり」ですので、喉のコントロール、口の中の形、息のスピードや角度も特殊なものが必要です。フラジオの運指表はネットにもごろごろしていますが、その指使いで希望の音を出すには多少なりとも訓練が必要です。一般的には、「裏声を出すような喉の締め方をするとフラジオは出易い」、というアドバイスが多いようですが、人それぞれだと思います。
フラジオの訓練としてはオーバートーンの練習が効果的だといわれます。
オーバートーンの練習は本来、喉の開け方、息のコントロールによって、最低音B♭、B、Cの指使いのまま、音響的な倍音を連続的に出し分け、サックス全体の鳴らし方、息のコントロールの仕方を鍛錬するものですが、フラジオも倍音ですので、出し方は共通しています。
B♭の指で4次倍音くらいまで出せるようになれば、フラジオも簡単に出せるはずです。また楽器の微妙な状態によって、フラジオの指使いは変わります。自分で色々な指使いを探して、自分の楽器用の最適なフラジオ運指を探してみてください。
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息の入り方やコントロールのし易さは自分のNYより好印象で最低音から最高音、フラジオ域まで音色の変化が少なく良い仕事がされている事を感じました。もう一本6番を購入しようか検討中です。
(AIZEN NY アルトサックスマウスピースご購入 伊藤広晴様 のお声)
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