サックスのお掃除のなかで、一番頻繁で日常的かつ必須なのが、クリーニングスワブをサックスの管体の中に通して、サックス内部の水分を拭き取る事ですね。これを日常的、いや練習や演奏会でサックスを吹く度にやっていないと、サックス管体内部に残った水分がパッドや管体の金属に色々な悪影響を与えます。今日はあたりまえのようで見逃している、クリーニングスワブ通しのコツをお話しましょう。
クリーニングスワブ通しの最大のコツ、それは「詰まらせない」ということです(爆笑)。この経験の無い皆さんは、当たり前と苦笑いするかもしれませんが、サックスのトラブルで一番多いのがこの「スワブ詰まり」です。リペア工房に持ち込まれるサックスの多くのトラブルが、「スワブが詰まって抜けなくなった」なのです。焦って自分で対処しようとしたケースのほうがより深刻で、最悪の場合管体内部のオクターブチューブを破損したりしてしまいます。スワブを通す前にはスワブの形を整え、出来るだけスムースに管体内を通過するようにしてください。上下のヒモが絡まっていたり、スワブの一部が団子状になっていたりするとつまりの原因になります。そしてなるべく力を入れないで引っ張る。主管上部の内側にはチューブが一本出ています。これにスワブが引っかからないよう注意してください。反対側にもヒモが着いているスワブの場合は途中で上下に行きつ戻りつさせるとトーンホール周辺の水分も多少拭き取れます。水分が一番溜まっているのはU字管の中です。ベル側からスワブを少し入れたら、一回ベル側から手で押し込み、U字管内で膨らませ、水分を取り、一旦ベル側から引っ張って戻してから管体全体に通す。というのも有効なテクニックです。とにかくスワブはベル側から入れる。入れる前に詰まらないように形を整える。無理に引っ張らない。ちょっとでも引っ掛かったら逆に抜く。掃除に必死になって楽器を落とさない。こんなあたりを注意してください。
また湿ったスワブはサックス本体と別のポケットや場所に保管します。せっかく吸い取った水分が、湿気としてサックスに悪影響を与えないようにしてください。使ったスワブは乾かしてから収納するのが最善ですが、そうもいかないので、たまに外に出して、洗ったり干したりも有効です。布がほつれて糸くずが出てきたスワブは、すっぱり諦めて買い換えましょう。糸くずがトーンホールやパッド、メカニズムに引っ掛かると、突然音が出なくなったり、コントロールできなくなったりします。
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