サックス 練習・レッスン

スラップ・タンギング


R&B系やファンク系の音楽で、バリトンサックスが演奏している場合、リズムやビートが更に強調されるよう、バリトン奏者は「スパン!スパン!」と音の出だしにスピード感のある、「スラップ・タンギング」を多用します。近代のベース奏法で有名な「スラップ」は、まさに「平手打ち、ビンタ」という意味ですが、サックスのスラップもなかなか奥が深い奏法です。スラップ・タンギングの効果、練習法等を紹介しましょう。
 スラップは「パチン」というような弾けた音で、リズム感、ビート感を強調するものです。上手なスラップ・タンギングでファンクの低音部をバリトンサックスで演奏されると、むちゃくちゃ格好良いドライブ感が出ます。かの有名な「タワー・オブ・パワー」のなバリトンサックス奏者、ドクター・クプカは卓越したタイミングのスラップ・タンギングを思いのままに操り、バンドのドライブ感をバリトンで作り出していると言っても過言ではないでしょう。逆にファンクやR&Bの世界では、スラップ・タンギングの出来ないバリソンサックスは、ちょっと表現力に欠けると言わざるを得ないかもしれません。そうはいってもこのスラップ・タンギング。実は簡単な技ではないのです。うーん、簡単な人には簡単なんですけどね。
スラップ・タンギングはリードに舌全体をくっつけた上で、それをパンと瞬間的に離すタンギングです。口の中に何も無い常態で、上あごと舌で、「カン!カン!」という音を出せる方は多いと思います。それがスラップ・タンギングです。しかし、サックスのマウスピースが口の中に入り、ましてや息を吹くときに「カン!カン!」とやるのは意外に簡単ではありません。何も無いときの「カン!カン!」は息を吸っています。これを息を吐きながらやらねばなりません。大物のプロサックス奏者曰く、「スラップは出来ない人は出来ないんだよね。あの超絶テクのXXさんもスラップはできないよ。」、と話しているのを聞いた事があります。舌の形、厚さ、柔軟性、口腔内の容積等、数々の要素がからまってスラップ・タンギングは実現するそうです。出来るようになっても低音域、フォルテはスラップの一番やり易い音域です。是非中高音域のメゾピアノでもスラップが出来るよう練習してください。かなりの「飛び道具」になると思います。テナーやアルトでも、スラップを使うと表現の幅が一段も二段も上がります。レッツ・トライ・スラップ!
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