前に、サックスに関するいたずらネタをお話した事がありますが、今回はその続編です。ただし、いたずらネタの最後に「うんちく」を話させて頂きますので覚悟(笑)しておいてください。
「紙くずはさみ」はご存知でしょうか?ちょっとした紙の切れ端を丸めて、キーガードの着いたパッドカップ(トーンホールを塞ぐ蓋)のカップとキーガードの間に挟みます。こうするとそのトーンホールが、キーを操作しても塞がったままで開かなくなります。B♭、B、C♯が絶好の場所です。上手にやれば、キーロッドとカップの間に挟婿とも可能です。こんなことをされたサックスでまともな演奏は出来ません。持ち主は相当慌てるはずです。また、「リードずらし」も高等テクニックです。持ち主がサックスを離れている間に、マウスピースに着けられたリードを1ミリほど下に下げてセッティングします。これもまともな音が出なくなるので、持ち主は大慌てです。両方のいたずらによる不調の原因をすぐに気が付くサックスプレーヤーは、かなりサックスの構造を理解している方です。
ということで、今回お話したかったのは上記の最後のフレーズです。キー操作の結果に出てくる音が、どのようにおかしいかによって、どのトーンホールが開いていないかを分かる人。また吹いたときにどのような音が出たかで、リードのセッティング位置が創造できる人。こんな「サックス吹き」に是非皆さんになって欲しいと思ってます。このような方々は、自分のサックスのトラブルの原因を把握でき、未然に防いだり、急なアクシデントを応急処置で凌ぐ事が出来るはずです。サックスの修理までを出来る必要はありませんが、ステージでは何が起こるか分かりません。どんなアクシデントが起こるかは誰も創造できませんが、サックスの構造を有る程度理解していれば、なんらかの対処もできるでしょう。アルトの名手、チャーリー・パーカーが生ステージの本番直前に、チューインガムで自分のサックスを修理してステージをこなしたという話は有名です。サックスの構造の理解なんて難しい事ではありません。指を動かしながら、じっくりサックスを見ているだけで、おおかたのメカニズムは分かります。自分のサックスと仲良しになってください。
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