「手が小さいのでバリトンサックスは無理!」、とか、「このモデルのサックスは、自分の指ではキーに届かないから諦めた。」、等という話を聞いた事があると思います。そんな理由で、自分の好みを諦める前に私に相談してください。サックスは奏者の手の大きさに合わせて調整できるように設計されています。「どのへんが調整できるの?」。はい、今日はそこをご説明させて頂きます。
サックスは標準的な手の大きさを基準に設計されていますが、手が小さい方、指が短めの方、あまり指が開かない方などには、多少運指がきつい場合があります。特に大型サックスのテナーやバリトンでは、「こいつは操作できないや!」、なんて場合もあります。高音域のサックスは管体自身が小型なので、指のポジションの間隔も小さめなのでこのような「決定的な大きさの不適合」は多くありませんが、それでも小指のキーの位置や、手のひらで操作するパームキーの高さや位置等が、微妙にしっくり来ない場合もあります。ピアノの鍵盤の幅、トロンボーンのスライドを一番長く伸ばした位置などは「致命的」でかつ修正できない楽器の要素として有名です。手の小さいピアニスト、腕の短いトロンボニストは、楽器側ではどうにもならないので、演奏にはそれなりの苦労を強いられます。しかしサックスは、「楽器のほうでどうにかなる」楽器です。アクセサリーの使用や、ちょっとした改造で、どんな手の人にでも快適に操作できるよう、調整できるようになっています。
一番普及しているのが、「パームキー・ライザー」ですね。手のひらで操作するパームキーにカバーを着けて高さを稼ぐアダプターです。これによってキーが手のひらに近くなります。リペアの技術者にお願いすれば、キーの位置の移動も可能です。シャフトに対して無理の掛からない位置の範囲でキーを動かすことが可能です。小指のキーはかなり複雑に位置が組み合わさっていますので、多少大掛かりな作業になりますが、優秀なリペアマンはその技術を持っています。決してやってはいけないのが、「自分でキーを曲げる」です。素人考えでキーを曲げたりすると、絶対にサックスに悪影響を与えます。最悪な場合は修理不可能というケースも無いとは言えません。気に入ったサックスなのだが、「どうも手に馴染まない」、という場合は、楽器店やリペアマンに相談してみてください。
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