サックスのレッスンを受けると、「楽器を良く鳴らしましょう」と教えられます。アマチュアのサックス発表会等では客席で、「あの人はちゃんと楽器を鳴らしてないね」、なんて囁きを耳にすることがあります。楽器の選定では、響くサックス、鳴るサックスを選ぶのが仕事です。さて、この、「鳴るサックス、サックスを響かせる」、ということは実際にはどういったことを指すのでしょうか?これらの言葉を使っているサックス吹きの方々も、以外に無造作に使っていることが多いようです。今日は、サックスを響かせる、鳴らせる、とはどういうことなのかをお話しましょう。
サックス等の管楽器は言ってみれば、振動増幅器です。息とマウスピースで発生させた音のエネルギーを共振して増幅し、聴衆が聞こえる、感動する音量を作り出します。音量増幅といっても楽器ですので、表現力を伴った増幅でなくてはなりません。音が大きくても、サウンドの質が大きく誇張されたり、癖のある鳴りかたをしてはいけないわけです。逆を考えると分かり易いと思います。鳴らない楽器とは?です。鳴らない楽器は、ピアニッシモで音の芯が無くなり、音像(音の輪郭)がぼやけます。鳴らない楽器は、メゾフォルテで詰まった音になり、かつ音域によって音質がばらばらになります。また鳴らない楽器は、フォルテッシモでは不快な振動(ビビリ)でサウンドを壊します。そして楽器を鳴らすのは楽器の性能に加えて、その吹き手の技量です。それが、「楽器を響かせる」ということです。
では性能の良い楽器、高価な楽器を買えば良いのでしょうか?確かに性能の良い楽器は鳴り易いと言えますが、それを鳴らすのはプレーヤーです。楽器の持っている特性を把握し、吹き方を調整し、楽器と奏者が一体になったときに楽器は響きます。そして、鳴ります。また、楽器はオーナーの奏者と長い時間を一緒に過ごすことで育ちます。正しい練習と、正しい楽器の対話で楽器は最高に響くようになります。鳴る楽器、響く楽器は奏者の意思と表現力を最大限に引き出し、聴衆に伝えます。
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