大事なサックスはピカピカのまま使いたいですよね。ジャズサックスプレーヤーは、ヴィンテージ好きも多いこともあるのか、「見た目ボロボロ」のサックスを吹いているプレーヤーは少なくありません。しかしクラッシックサックスのジャンルでは、ほとんどのプレーヤーはピカピカのサックスを吹いています。クラッシックサックス、特にアンサンブルの世界では、少しでも傷が付いたり、表面がさびたりすると、「音が濁る」、「アンサンブルでサウンドが揃わない」等の理由で新しい楽器に替えるそうです。先日クラッシックの著名なサックス奏者にお話をうかがう機会がありましたが、「基本的に現代のクラッシックサックスのジャンルでは、設計通りの新品のサックスがサウンド造りの基本になっています。アンサンブルでは、メーカーもマウスピースも一緒。また製造日も近いほうが好まれますね。ストラップも同じものをグループで使います。「良い音」、「悪い音」、を云々する前に「安定」や「調和」を優先します。だからメッキが剥げたサックス等はほとんど使われません。だそうです。今日はサックスの傷やダメージについてお話します。
管楽器の傷は、「打痕(へこみ)」、「擦傷(すり傷)」、「サビ」、「表面剥離(塗装やメッキの剥げ)」等が主な「怪我」です。どこか硬いところにぶつけると、簡単に管体は凹んでしまいます。日本のリペアマンは「ヘコ」、英語では「デント」と呼ぶ、「打痕」が出来てしまいます。裏側から金属で押し出すことで意外と簡単に直りますが、そこの金属の組成が変わり、金属の共振の特性が変わり、サウンドに影響を与えてしまう場合があります。凹みが出来た後のサウンドに不具合がない場合は、多くのリペアマンは「直さない」方を薦めることが多いようです。ま、見た目を我慢できれば、の話ですが。擦り傷はサックスにとって「運命」のようなものです。体の右側で構えるテナーやバリトンは、ズボンやスカートの太ももの部分に擦れて、その部分はすぐに擦り傷だらけです。ちょっと年期が入れば、塗装やメッキが剥げたりします。またベルトのバックルもサックス吹きには鬼門です。金属のバックルはサックスに傷や凹みを付ける場合があります。サックスを吹くときには、ベルトのバックルを左側に寄せましょう。
じゃ、続きは次回に!
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