スーパーダイナクションはビンテージサックスの中では、操作性、音程、音色、外観でアメセルマーク6と肩を並べる最高のサックスです。
スーパーダイナクションの歴史
管楽器の品質の高さでは世界でトップのビュッフェクランポンがアメセルマーク6に対抗して作ったモデルです。
このSDAは1961年製でシリアル番号は75xxです。アメセルでいうとシリアル91xxx-97xxxの年代に当たります。まさにジャズテナーの黄金期です。
ビュッフェでは生産本数年間1200本と非常に少ない時期のものです。生産本数が少ないがゆえに、各パーツの細部にまで名門ビュッフェの職人魂が感じられる素晴らしい楽器です。
ビュッフェクランポンSDAは丁寧に作られすぎたため、コスト面で採算が取れずに早く生産中止になりました。しかしサックス通の中では音色、造りの良さなどビンテージサックスの中ではマーク6に勝るとも劣らない存在との定評です。
外観について
こちらのテナーサックスはニューヨークで活躍するプロから譲り受けた物です。殆ど使われておらず、アメセルのような飴色のラッカーが約95%残っています。僅かなすり傷や経年変化で起きたラッカー焼けが一部にありますが、45年前のサックスとしてはかなり良いコンディションです。凹みはありません。
キーアクション、音程について
サックスとしての全体的なキーメカニズムは優れており、キーアクションもスムーズです。テーブルキーの操作性は昔の楽器としてはかなりよい部類です。
ビンテージのコーン、マーチン、ブッシャーよりも大分楽で慣れれば全く苦になりません。この年代のサックスとしては音程もかなり正確な部類です。高音域はMk6よりも音程が良いと感じます。タンポは非常に珍しいスターリングシルバー製ブースター付きで、これによりダークさと音の迫力が一層増しています。
演奏上のコンディションについて
日本屈指のリペアマンに依頼し調整しました。 キーバランス、フェルト、タンポ全交換です。演奏できるコンディションとしてこれ以上望みようのない完全な状態に仕上がっています。
付属品一覧
1,オリジナルではありませんが古いケースが付属します。中に若干破れがありますが状態はまずまずです。
2,当時のクランポン製純正 マウスピースとリガチャー、ニッケル製のキャップ。マウスピース内側には経年によるカルシウムの付着がありますが、状態は比較的綺麗です。
3,当時の木製エンドプラグ。内側にコルクが貼られており、ネックレシーバーにぴったりフィットします。
美術品としても、演奏する楽器としても素晴らしい逸品です。
外観通りの円熟したダイナクションの肉厚ダークサウンドを体感して下さい。あなたが求め続けたビンテージサックスがここにあります。
サンプル音源
飴色に熟成したラッカーからも想像できるとおり、音色はかなりダークで渋く、まさにジャズのためにあるサックスです。管体の重さは後期Mk6程度の重みですが、Mk6よりもはるかに厚みのある肉厚のサウンドがでます。音の暗さ、渋み。ジャズには最高のテナーです。シリアルは75xxです。